帯のたたみ方
袋帯や名古屋帯のたたみ方は、いろんな本などに載っていますね。その通りにたたんで頂いて問題のない場合は、今のままでよろしいですね。美しい帯姿に仕上げるためには、たたみ方のポイントも大切だと私は思っています。私のこだわり、帯をたたむ際に注意した方が良い点をお伝えいたします。
帯姿を美しくするための名古屋帯のたたみ方
お太鼓になる部分を意識して、たたむ時に折られてしまう部分に気を付けます。普通のたたみ方をしてみますといかがでしょうか・・・?お太鼓柄の部分は折られていませんか?この部分が折られていないようでしたら、問題はありません。
柄の部分が折られてしまうこともあると思います。するとどうでしょう・・・?帯を締めた時、お太鼓の柄の部分に折り線が・・・ということになってしまいます。こんな悲しいことはありませんね。着姿、帯姿に影響してしまいます。きっと心の中でつぶやくでしょう。
「帯のたたみ方の本に書いてあった通りに畳んだのに…」と。
お太鼓の柄への影響がないことを確認できましたら、もうひとつ確認してみましょう。
次は前の柄になる部分です。この前にも帯を負った織船があるとやはり美しさが半減してしまいます。いかがでしょうか?前の柄部分は無事でしたか?無事でない場合、先ほどと同じく心でつぶやくでしょう。
「だって本当に本に書いてあった通りに畳んだのよ!どうして折り線がつくの?」と。
コートをお召しにならない季節は、周囲の方のお着物姿が気になりませんか・・・?帯姿まで楽しませて頂けますね。しかし、ポイント柄の部分に折り線の目立つ方が意外と多いのです。悲しくなります。
たたむ時に折る位置をちょっと考えるだけで防ぐことが出来ます。不安に思われる方がいらっしゃいましたら、確認をされてみてくださいませ。人それぞれに帯柄の出る場所は変わってきます。ご自分が締めた時にどの部分が出るのかを、よく確認をされることが大切です。そして出る部分に折り線をつけないようなたたみ方をすればいいのですね。
呉服屋さんから、仕立上がりの名古屋帯を購入される時に、最初に折られている時点で折り線が気になる帯もあります。また本に載っている通りにたたんでも、仕立て等(柄の位置や長さ)により折り線に柄がかかってしまう場合もあります。少しずらすだけで、問題は解消します。六通柄や全通柄の場合は、たたむ時には 折ってはいけない部分がどこなのか判らないと思います。その場合、お召しになっている(帯を締めている)状態で「この位置が重要」と判るように、前の部分は左右の脇にクリップで留め、後ろの部分はお太鼓の山からお太鼓の下線までクリップで印をつけておきましょう。これならたたむときに充分気を付けられますね。
帯姿を美しくするための袋帯のたたみ方
袋帯でも同じです。袋帯の場合手先とたれ先を合わせ、さらに半分に折り、そしてまた半分に…とたたんでいきますね。名古屋帯の時と同じように、前の柄とお太鼓の柄の位置をしっかりと把握して(クリップ等で印をつけて)たたんでみてください。もし柄の部分に折り線が来てしまうようでしたら、少しずらして仕舞いましょう。
「私のこだわりの帯」のページでご紹介しています ひなやの「なみおさの袋帯」は手先が30cmも長く織られていました。私のお気に入りの帯。最初はそのままの状態で使っていました。たたむ時は、その長い部分を先に折り返し、後は普通のたたみ方にしましたので問題はありませんでした。その時に気付いていませんでしたら、なみおさのステキな織りの部分に折り線が付いていたことでしょう・・・。今はその長い部分を切ってしまいましたので、普通の長さです。
作り手さんも何でこんなに長く織られたのか不思議です。その分お値段も上がってきますのに…。ポイント柄ですので、ふくよかな方用に・・・という訳でもなさそうですね。(ポイント柄の場合、前の柄からお太鼓柄までの長さで調整しますので・・・)所詮あまってしまう部分なのです。もったいない・・・。
たたむ時には 充分に気にしながら折ってみてくださいませ。お召しになる時に気にならなくなります。
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