衿の仕上げ(2)
衿の出し加減については衿の仕上げ(1)をご覧くださいませ。こちらでは衿元がゆったりするためのポイントや、衿の位置を決める際の注意点をお伝えいたします。
衿の決め方
衿を立てた衿合わせと、寝かせた衿合わせの違いが分かりますでしょうか?綺麗な衿合わせは衿を寝かせ、首周りをゆったりとさせます。衿を立てますと首についてしまいますので、見た目にも窮屈に感じます。お写真でその違いをご覧くださいませ。
立たせた衿合わせ
寝かせた衿合わせ
上下の写真を見比べて、違いがわかりますでしょうか?衿から肩にかけてのライン(角度)の違いです。衿から肩にかけてなだらかになっている下の写真と、なだらかになっていない上の写真との違いです。
上の写真は、衿部分が立っていますね。衿が立っていますと、着物の衿や半衿が顔に当たってしまいますので汚れにもつながります。衿を寝かせてお召しになると、見た目にもゆったりとしていますし、着物の衿が汚れることはほとんどありません。半衿は皮膚が当たりますから汚れはつきますが、立たせてお召しの時に比べ汚れ方が違います。衿合わせは、ゆったりとさせるように着付けると良いですね。
またそれぞれ写真の中央を比べてみてくださいませ。胸の上のあたり(衿の合わさっている部分)にも違いがあります。上の写真では、衿の合わさっている部分が膨らんで厚みがありますね。下の写真では厚みもなく綺麗に落ち着いています。衿を立たせると、合わせ部分にも影響してしまうのです。
耳たぶの下から衿を寝かせるように着付をしますと、衿合わせも綺麗に整います。ご自分の首が短いと感じている方もいらっしゃると思います。この「寝かす衿合わせ」を意識しますと気にならなくなります。首のせいではなく、着付方法で変わるのですね。一度、衿を寝かせる衿合わせを気にしながら着付けてみてくださいませ。
私も最初の頃はよく着物の衿を汚しました。寝かせた衿合わせが出来なかったのですね。首周りの窮屈さも感じていました。最初はきっと皆同じです。常に「何故?」「どうして?」と気にしていると、答えは見つかります。衿を汚さなければ、部分洗いに出すこともなくなりますね。クリーニング代が浮きます。浮いたお金で小物が買えますね♪
冗談はともかく、一度お試しくださいませ(笑)
衿元を美しく整える便利な小物
伊達締め
ひと口に伊達締めと言いましても、タイプがいろいろとあります。
- ポリエステル素材の伊達締め
- ポリエステル素材の伊達締めに金具のついたもの
- 正絹博多織の伊達締め
- マジックテープで留める伊達締め ・・・ など
コーリンベルト
種類が豊富です。留め具の違い(金具のものとプラスティックのもの)がありますが、使用の際の大きな違いはありません。プラスティックの留め具の場合、年数と共に劣化することがありますので、しばらく使わない状態のコーリンベルトは使用前に確認してみましょう。着付け途中で留め具が壊れて(割れて)しまうこともあります。留め具が金具の場合もプラスティック同様、使用前に確認してみてください。錆が出てしまっている場合もありますし、金具部分が壊れ、ちゃんと留められない状態になっていることもあります。
衿芯
衿芯の種類によっても衿合わせの美しさがが違ってきますので、お好きな衿芯のタイプで衿元を研究しましょう。
半衿
半衿のつけ方によっても、衿元の美しさに違いが出ます。