衣紋の抜き方と衿合わせ
着付を習い始めの頃、衣紋を上手に抜くことはとても難しいと思います。衿合わせについてもそうですね。美しい衿元にする為のポイントをお伝えいたします。
今までに試したことのない方法が見つかりましたら、一度お試しくださいませ。ポイントさえ理解することが出来ましたら、すぐに上手に仕上がります。
肌襦袢の時に気を付けること
- 慣れるまでは、肌襦袢を着る時に多めに衣紋を抜きます。
少し抜きすぎかしら?…と思うくらいでよろしいのです。慣れてきましたらご自分で加減してくださいね。
- 衿の下にあたる部分(耳たぶの下から、バストの上くらいの位置)の補整はしっかりと。衿下の補整はカット綿やタオルで代用できます。衿下の補整をしっかりしておきますと衿が落ち着きます。
- 背中にはシワは残しません。シワをきれいに整えます。
長襦袢の時に気を付けること
- 長襦袢に袖を通し長襦袢の衿をそろえます。
左右の半衿を合わせ、背中心を持ち、前後に動かし背中心を決めます。
この時、肌襦袢の衿と合うようにします。肌襦袢の衿(細衿)は見えるようにしても隠してもどちらでも構いません。
※着付学院等でも違いがありますので、お好みでどうぞ。 - 衿合わせの時に、衿を前に詰める動作をしていませんか?衿合わせに集中するあまり、衿を持つ手は自然と前へ前へと動いてしまうと思います。その結果、衣紋が詰まってしまいます。
- 衿は、ご自分のバストを包み込むように合わせます。(下前は身八ツ口から手を入れて衿を持ちます)その時、耳たぶの下から後ろは動かさないように注意しまと、衣紋は前に詰まってきませんので、綺麗に抜けている状態が保てます。
- 衿合わせが決まったら伊達締めをします。伊達締めの前に胸紐をかける、またはコーリンベルトをお使いになりますと、より衿を落ち着かせることが出来ます。
- 伊達締めの締め加減ですが、皆様はどのくらいで締めていますか?強めに締めても気にならない方もいらっしゃるでしょう。
しかし長くお召しになる時は特に、楽な方がよろしいと思います。着崩れないようにする為、すべて強く締める必要はありません。ポイントを知っていればその部分のみで充分なのです。
- 伊達締めの掛け方
1)伊達締めを、中心から脇→後ろへまわします。
2)後ろで交差させます。
3)交差させましたら、その時にひと締めします。
4)そのままゆるめず、前に戻し結びます。
5)前では、締めすぎる必要はありません。 - 大事なポイントは、後ろで交差した時のひと締めのみでいいということです。
ご自分の気持ちの良い締め加減にしてくださいませ。多少きつく締めましても、後ろでひと締めのみですので苦しいということはないはずです。前に戻す時に締めたりしますと(引きすぎると)、苦しくなりますので注意しましょう。
- 背中のシワを両脇に寄せます。
寄せたときに出来るたるみは伊達締めの中に引き入れます。
- シワのとり方
伊達締め巾の上下だけシワをとってもすぐに戻ってしまいます。
伊達締め巾の中の方まで、シワをとるようにしましょう。
この作業をするだけで、とてもきれいになります。 - 全体に伊達締めより上の部分のたるみをなくします。
(伊達締めより下の部分を少しずつ引き下げると落ち着きます。)
たるみをなくすことで、より着崩れなくなります。
衿元を美しく整える便利な小物
伊達締め
ひと口に伊達締めと言いましても、タイプがいろいろとあります。
- ポリエステル素材の伊達締め
- ポリエステル素材の伊達締めに金具のついたもの
- 正絹博多織の伊達締め
- マジックテープで留める伊達締め ・・・ など
コーリンベルト
種類が豊富です。留め具の違い(金具のものとプラスティックのもの)がありますが、使用の際の大きな違いはありません。プラスティックの留め具の場合、年数と共に劣化することがありますので、しばらく使わない状態のコーリンベルトは使用前に確認してみましょう。着付け途中で留め具が壊れて(割れて)しまうこともあります。留め具が金具の場合もプラスティック同様、使用前に確認してみてください。錆が出てしまっている場合もありますし、金具部分が壊れ、ちゃんと留められない状態になっていることもあります。
衿芯
衿芯の種類によっても衿合わせの美しさがが違ってきますので、お好きな衿芯のタイプで衿元を研究しましょう。
半衿
半衿のつけ方によっても、衿元の美しさに違いが出ます。